経営課題を言語化するとはどういうことか
「何かがうまくいっていない」という感覚は、多くの経営者が持っています。しかしその感覚を言葉にしようとすると、急に輪郭がぼやけてしまう。言語化とは、その輪郭を少しずつ描いていく作業です。
言語化できていない課題は、解決できない
課題が言葉になっていない状態では、誰に何を頼めばいいかわかりません。社内で共有もできないし、外部の専門家に相談しても、的外れな提案が返ってくることが多い。「なんとなく売上が伸びない」という状態と、「既存顧客の再購入率が3か月で15%落ちている」という状態では、次の行動がまったく変わります。
言語化の目的は、きれいな文章を書くことではありません。「誰が、何を、いつまでに、どうする」という形に落とし込むことです。その形になって初めて、優先順位をつけることができます。
言語化を妨げる3つのパターン
現場でよく見るのは、「原因と症状を混同している」パターンです。「社員のモチベーションが低い」は症状であって、原因ではありません。なぜモチベーションが低いのかを掘り下げないと、研修や福利厚生を増やしても変わりません。
2つ目は「課題が多すぎて絞れない」パターンです。10個の課題を同時に解こうとすると、どれも中途半端になります。まず1つに絞る判断が必要ですが、その判断自体が難しいと感じる経営者は多い。
3つ目は「課題と目標が混在している」パターンです。「売上を増やしたい」は目標であって、課題ではありません。課題は「目標と現状のギャップを生んでいる要因」です。この区別がつくと、議論の質が変わります。
セッションで実際にやっていること
Rapid Lighthouseの戦略言語化セッションでは、最初の30分を「現状の棚卸し」に使います。数字(売上・利益・人員・在庫など)と、経営者が感じている違和感を並べて、ズレを探します。
その後の60分で、ズレの原因を「自社でコントロールできること」と「外部要因」に分けます。外部要因に悩んでも仕方がないので、コントロールできる部分に絞って課題を定義します。3回のセッションが終わると、「次の3か月でやること」が1枚の紙に収まる状態になります。
言語化は一度やれば終わりではなく、状況が変わるたびに更新が必要です。定期的に棚卸しをする習慣が、組織の判断速度を上げていきます。